日本でも解禁?いまアメリカで急増するSPACとは
最近、ニュースや経済誌などで目にする機会が増えてきた「SPAC」。日本での解禁も間近にせまるなか、今のうちに知っておきたいSPACについて紹介します。
空箱?白紙の小切手?
SPACは「Special Purpose Acquisition Company」の略で、日本語では「特別買収目的会社」と訳されています。未上場企業の買収を目的に設立、事業をもたない”空箱”の状態で株式上場され、資金調達を行う会社です。このことから上場時には「空箱上場」なんて言われ方をされることもあります。
アメリカでのニューヨーク証券取引所で1980年あたりに登場し、2020年に入ってから急激に増加。アメリカでの2021年の上場件数のうち、4分の3がSPAC関連での上場になるなど、時代はまさにSPAC時代に突入したといっても過言ではないほどです。
SPACは買収先が決まる前から資金集めを行います。上場の段階で、どんな会社を買うのかがわからないため、白紙の小切手会社「Blanc Check Company」と揶揄されることも。
SPACの設立はそれなりにバリューのある人物が行うことが多く、資金も集まりやすいのが特徴。そうして集まった資金を元に、有望なスタートアップ企業を買収し、空箱の中を満たすのです。
SPACのメリット&デメリット
SPACのメリットは、まずそのスピード感。SPACは設立者が自己資本を投入して設立。中身がない状態なので上場審査も簡単なため、通常より短期間で上場が可能となります。買収されるスタートアップ企業にとっては、まとまった資金調達がおこなえます。通常なら時間がかかるIPO(新規株式公開)も素早く行えることからメリットが大きいのです。
デメリットは、やはり空箱での上場であること。投資家にとってみれば、どんな企業が買収されるのかがわからない状態なので、通常よりもリスクが高いかもしれません。アメリカの電気自動車メーカー・ニコラがSPACを活用してナスダックに上場した例では、不適切な情報開示が指摘され、会長も辞任、上場直後に株価が大暴落するといった事件も起きました。
また、アメリカではSPACが急激に増加したことで、良い買収先が見つからないといった課題も出てきています。
日本でもついに解禁?
昨年、アメリカで急激にSPACが増えたのには、コロナ禍の影響が大きいと言われています。不安定な情勢の中でスタートアップが上場に及び腰だった中、SPACをつかえば自分たちが思う通りの時価総額が得られると、飛びつくケースが増えていったのだとか。
アメリカ以外でも、香港やシンガポール、インドネシアなどで解禁が推し進められているようで、日本にもその波がやってきています。6月18日の臨時閣議で、新たな経済財政運営の指針(骨太方針)と成長戦略の中にSPAC解禁の方針を盛り込んだのです。実は2008年にも、解禁が検討されましたが見送られたという過去があります。
コロナ禍で揺れる中、海外での盛んな情勢もあって、日本でも一気に推し進められていくかもしれません。注目です。
投稿者プロフィール
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美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。
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