経済を循環させ森林環境を守る「WOOD DREAM DECK」始動

BtoBのITサービスを提供しているTISは、森林資源の循環利用をWeb3技術で活性化するプロジェクトの集合体「WOOD DREAM DECK」プログラムを始動しました。

TISは“TISインテックグループ”に属し、企業へ様々なITソリューションを提供している会社。3,000社を超えるビジネスパートナーを抱え、キャッシュレスやスマートシティ、エネルギー、ヘルスケアなど多岐に渡る分野でサービスを展開しています。

同社は、事業によって解決を目指す社会課題として、「金融包摂」「都市への集中・地方の衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」の4つを挙げ、これらに向けた活動を事業成長戦略の中核としていますが、この中で「都市への集中・地方の衰退」「低・脱炭素化」に該当する取り組みとして始まったのが「WOOD DREAM DECK」プログラムです。

プログラム発足のきっかけは、地方に移住した1人の社員の“気付き”にありました。山間部に居を構えたその社員は、身近にある森林が抱えている様々な課題を感じつつ、同時に森林が大きな可能性を持っていることも発見し、テクノロジーを活用してこれをもっと活かせないか、と思い至ったそうです。

日本の国土は7割弱(※1)が森林に覆われていますが、人工林の多くはメンテナンスが不足しており、樹木の高齢化が進行しています。木は高齢になると二酸化炭素の吸収能力が低下してしまうため、一定のサイクルで伐採と再生を繰り返すのが理想的なのですが、リソース不足でそれもままならない状況です。

こうした現実は、海外から輸入される安価な木材の影響を受けさらに悪化。山主は植樹や再造林をすればするほど赤字が膨らむという悪循環に陥っており、伐採後に再造林される山林の割合は3~4割程度(※2)というのが実情。間伐材も利用されないまま放置されているという現実があります。

こうした課題に向き合おうとするのが「WOOD DREAM DECK」。このプログラムは、木を使って「できること」から考えるのではなく、「したいこと」を持つ人を支援し、その願いを実現していくという発想の転換を通して、森林資源の循環利用を促進し、価値を高めていくことを目指すものとなっています。

プログラムは、Web3技術を活用して提供され、ファンベースコミュニティの構築、森林関連のトークン発行、木材を使った製品や体験活動にNFTで付加価値をつける、といった流れで構成されるものです。こうした取り組みを通してコミュニティの活性化を図り、収益を植樹や再造林の費用に還元する、としています。

この仕組みが実際に動き始めているのが、埼玉県横瀬町の官民連携プロジェクト「よこらぼ」で採択された“サウナを作る”という企画。地域のクリエイターたちがコミュニティに集ってアイデアを出し合い、山林整備やアクティビティに参加してくれた人たちにはトークンを付与して、さらに同町の木製品販売や森林でのレジャー体験では購入・利用にNFTを活用。人の動きや価値を循環させ、最終的にサウナが完成するというものです。

TISはこのプログラムの目指すところについて「森林の課題を抱えている日本の多くの自治体への展開も進め、あらゆる領域のパートナーと共創関係を構築しながら、サスティナブルに関心の高いZ世代なども巻き込み、森林資源の循環利用を日本の文化として浸透させていきます」とコメント。活動の輪を広め、持続的な取り組みにしていこうとする意志をメッセージしています。

※1…林野庁「都道府県別森林率・人工林率(平成29年3月31日現在) 」より
※2…林野庁「省力・低コスト造林ガイドライン及び造林未済地の再造林・荒廃農地の林地化検討事例(令和4年3月)」より

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投稿者プロフィール

レイニー
レイニー
美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。

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