所得控除とは?扶養家族はいくらまで稼いでいいの?

所得控除の問題は非常に複雑で学校でも習うことがないためとても難しいです。

しかし103万、130万などのボーダー金額を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

アルバイトによる年収はいくらで止めておくべきなのか。

本記事では具体例を元に税金の各線引についてなぜその数字が使われているかを詳しく解説。

親・夫がいくら稼いでいたら、自分がいくら稼いでいたらなどの総合的な疑問を解消します。

また、日本には様々な扶養控除のシステムがあります。

ですが国はこのような控除の仕組みを知らない人に優しくありません。

自分からどの控除対象者なのかを勉強して、自分から役所に届け出を申請しなければなりません。

知らなかったという理由でたくさん税金を取られるのは納得できませんよね。

社会に出る前に税金の基本的な知識を身に着けておきましょう。

所得控除とは

所得控除額に認定された金額は税額計算の対象とならない部分です。だから税として引かれることなく全額が手元に入ってきます。

ちなみに日本は所得税に関して累進課税制度を採用しているため、税率と所得控除額が年収によって異なってきます。

大げさに言うと、年収195万円以下は税率5%のかわりに控除額はなし。

年収4,000万を超えると控除額は4,796,000円で税率は45%となります。

ほとんど稼いだ額の半額が税金として持っていかれるのです。

所得控除には基礎控除、配偶者控除、障害者控除など全15種類の控除項目があります。

その中のいくつかをこれからピックアップして紹介していきます。

扶養控除

扶養控除とは、働いている人ひとりにつき年間所得が48万円以下、パート・アルバイト年収でいうと103万以下の扶養親族がいるときに控除される所得控除のことをいいます。

扶養親族には16歳以上の学生や両親なども含まれます。

所得税控除額住民税控除額
一般の控除対象扶養親族
(16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満)
38万円33万円
特定扶養親族
(19歳以上23歳未満)
63万円45万円
老人扶養親族
(70歳以上)
48万円38万円

では年収を103万を超えてしまったからといって、いきなり親が上記の所得税控除額と住民税控除額を足した約100万円を支払わなければならないのかというとそういうわけではありません。

103万の次にボーダーになってくる額があります。

まず、103万以下だった場合、納税者(学生目線でいうと両親の場合が多い)は扶養控除を受けることができ、かつ自分でかせいだ103万円は税金が引かれることなくそのまま手取りになります。

次のボーダーは130万円です。103万~130万円だった場合、103万円を超えた分の5%が所得税として引かれ、税金として収める必要があります。

つまり120万円稼いだとすると、

(120万-103万)×0.05=8,500円が所得税として持っていかれることになります。

思ったより高くはならないですね。130万円未満であればまだ扶養からは外れません。

130万円を超えると扶養からも外れ、個人で社会保険料も収めなければならなくなります。

これで扶養が外れて両親が払わなければならない税金はいくら変わってくるのか。

まず扶養から外れなかった場合

女子大生(20歳)・年収100万円・親の年収1,000万円として考えてみましょう。

上記の表でいうと特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の所得税の部分に当てはまります。

所得税の計算式は

所得金額-所得控除=課税所得金額

課税所得金額×税率=税額

所得金額(1,000万)-所得控除(約120万+63万(扶養控除))=課税所得金額(817万) ※年収900万~1,800万の人の所得控除額相場平均150万

課税所得金額(817万)×税率(33%)=約270万

次に扶養から外れる場合、女子大生(20歳)・年収150万円・親の年収1,000万円とすると

所得金額(1,000万)-所得控除(約120万)=課税所得金額(900万) ※年収900万~1,800万の人の所得控除額相場平均150万

課税所得金額(900万)×税率(33%)=297万円

つまりこの女子大生が扶養から外れることで所得税だけでも親が払う金額は27万円増加することがわかります。

以上を考慮すると、130万円~160万円の場合働き損になります。

扶養から外れた時点で自分の税負担、親の税負担の増加により30万は税金としての支出が増えてしまうのは確実だからです。

130万を超えて扶養から外れる覚悟があるのなら、160万円以上を稼いで損をしないように頑張りましょう。

【勤労学生控除】

年収103万を超えても稼いでいる学生本人は税金を払わなければいい場合があります。

高校や大学に通いながら自分で働いて生計を建てている学生の時です。

所得税で27万円、住民税で26万円の控除を受けることができます。

その中でも対象学生となるのは年間所得が75万円以下(年収130万円以下)でそのうち資産性の所得(不動産や株の配当など)が10万円を超えない学生に限られます。

配偶者控除・配偶者特別控除

納税者の配偶者が専業主婦であるなどして年収がゼロ、あるいは一定額以下だった場合、納税者は配偶者控除・配偶者特別控除を受けることができます。

配偶者控除を受けられるかどうかや控除額は納税者の収入によって変わってきます。

納税者の年収が1,195万円を超えると配偶者控除の対象外になります。

配偶者控除の対象である一定額とは103万円です。

しかし103万を超えたとしても配偶者特別控除というものがあります。

配偶者特別控除は以下の通りです。

配偶者の年収納税者の年収1,095万円以下1,095万円超~1,145万円以下1,145万円超~1,195万円
103万超150万円以下所得税38万円/住民税33万円所得税26万円/住民税22万円所得税13万円/住民税11万円
150万超155万円以下36万円/33万円24万円/22万円12万円/11万円
175.2万以上183.2万円未満所得税住民税ともに16万円所得税住民税ともに11万円所得税住民税ともに6万円
197.2万以上201.6万円未満所得税住民税ともに3万円所得税住民税ともに2万円所得税住民税ともに1万円
※すべて所得税控除額/住民税控除額

ひとり親控除・寡婦控除

年間所得500万以下のシングルマザー・シングルファーザーのための所得控除がひとり親控除です。

お子さんの総所得が48万円以下の場合この控除を受けることができます。

ひとり親控除の所得控除額の最大は35万円です。

ひとり親になった理由が死別、生死不明なのか、離婚なのか、未婚なのかによって控除額が異なってきます。

死別・生死不明離婚未婚
扶養対象の子供がいる35万円/30万円35万円/30万円35万円/30万円
子供以外の扶養家族がいる27万円/26万円27万円/26万円
扶養対象の子供がいない27万円/26万円
※所得控除額住民税控除額

パートナーと死別した場合扶養家族がいなくても子供以外の扶養家族がいる家庭と同じ額が控除されるのは驚きですね。

編集後記

今回は税金の中でも所得控除についてフォーカスしました。

所得控除の中にも色んなものがあります。

自分の生活環境だと税金はいくら引かれるのか、ボーダーはどこなのか。

それらをきちんと理解した上で気づかないうちに損をしていることのないようにしましょう。

投稿者プロフィール

レイニー
レイニー
美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。

コメントを送信

初心者におすすめ: